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病気の先にある、その人の 人生まで考える

私自身、この地域で生まれ育ちました。家は代々、地域で診療所を営んでいて、祖父や父が地域の方々と接する姿を身近に見てきました。

昔の地域の医師は、病気だけを診ていたわけではありません。患者さんがどこで暮らし、どんな家族がいて、どんな生活をしているのかまで知っていた。医療だけでなく、街のことまで考えていました。

医療の専門化や効率化が進み、適切な標準治療へアクセスしやすくなったことは大きな進歩です。一方で、情報があふれる今、「何が正しいのかわからない」「どこへ相談すればいいのかわからない」という方もいます。

地域の中核病院として、正確で有益な情報を届け、必要な医療へスムーズにつなぐことも、私たちの役割だと考えています。

そして、治療だけで終わらせないこと。

人生の段階や生活環境まで考え、病院、診療所、施設、自宅の間で起こる「移行」を、できるだけ安心でスムーズなものにする。そのために、医療・福祉・介護の関係者とさらに連携を深めていきたいと思っています。

災害時も同じです。患者さんを受け入れるには、病床だけでなく、薬、検査、食事、透析など、多くの職種の力が必要です。日頃から声を掛け合い、情報を共有しているからこそ、非常時にも動くことができます。

新しいことにも、まずはやってみる。地域の方に病院を知っていただくイベントも、職員の学びや挑戦も、そこから始まります。

最初からすべてができる必要はありません。ここでさまざまな患者さんや仲間と出会い、経験を積んでほしい。

そして、ここで過ごす時間が、一人ひとりにとって良いキャリアになることを願っています。

病院長

田宮 貞宏